バガヴァッド・ギーター

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探索26日目

2010/04/24 16:34 [Sat]
中の人とテーセウスの思考の整理
書きたいと思ったものが5%も表現仕切れなかったござるの巻ィ
糞どうでもいい話なのですが、文中の双子

イケメンに弱い

ゆーぐれなかみさんへ>
おおふ、コメントが反映されなかった!不思議!
此方での返答となります、すみません。

ユーグレくんのから揚げ弁当ENDまだですか?

冗談はともかく、いつも結果上では楽しませていただいております。
いつもツンツン弄り倒しててごめんなさい><
ユーグレくんは将来性があるって信じてますよ、私…。









「名前が無いなんておかしな話。」

香を焚いた室内は薄暗い。

掠れた声色と共に紫煙が吐き出された。

部屋の中央には、床に六芒星が画かれている。

その中にぽつんと男が一人立っていた。

陣は結界、男は外から出る事は出来ない。

「一階の使い魔ですので。」

なるほど、短く魔方陣の外に居る女は言う。

長いドレスを揺らし円の周りを辿るように歩く。

乾いた靴音はぴちゃりと塗れた音をたてた。

そこは丁度”儀式”を終え、”贄”がいる。

女は気にせず歩き続けた。

「なら名前を考えなくちゃ。」

再度乾いた床を踏む足音は、僅かに塗れた音を残したが

徐々に乾いた音へと変わってゆく。

足跡が転々と残っていた、それを視線で追いながら男は「名前?」と問う。

「そう、名前。貴方は暫く私と行動を共にするの、だから名前がいる。」

なるほど、今度は男が短く返事を返す。

女の足音が止まった。

「テーセウスにしましょう。」

「テーセウス。」

その名前には聞き覚えがあった。

「神話にあるミノタウロスを打ち倒したとされる英雄ですか。」

「そう、貴方は私にとっての英雄。」

なるほど、男はもう一度返事を返した。



女の契約というものは、ただの私情だった。

夫の家柄は女の家柄よりも劣っている。

だが女は夫に惚れ、家の反対を押し切り婚約。

だが時の経過は残酷なもので情熱はやがて枯れ果て、夫は外に愛人を作った。

その復讐をしたいという。

実に判りやすく、テーセウスにとっては都合の良い”食事”だった。



復讐は果たされ、女は自殺をした。





次に契約を果たしたのは富豪だった。

もっと金が欲しいと処女を生贄に捧げて来た。

テーセウスは肉屋の経営を助言をした。

勿論材料はコストのかからない”人”。



豪富は死刑を受けた。



さらに次に契約をしたのは女だった。

この女は大変長い付き合いだった。

悪魔になりたいと契約を持ちかけ、対価に業を要求した。

女は生涯殺人を続けたがとうとう老衰には勝てず、息を引き取る。



女の家は火事で燃えた。



人間の負は自身の食事。

契約主は次々と己の欲を差し出し負を振りまいた。

テーセウスは嬉々として、契約の負を喰らっていた。

ある”契約”を境に随分と契約をしていない。



最後に契約を交わした人物は、とても子供のようでとても残忍であった。

姿は老人だったが人間でない事は、容易に知れた。

勿論テーセウスのことも奴隷のように扱っていたのだ、最初は。

その前日、契約主は唐突にテーセウスに優しく接するようになる。

思えば甘えていたのかもしれない、その優しさに。

次の日には契約主は忽然と姿を消していた。

消すというのもおかしい。寝台から抜け出す形跡は何も無い

寝台に黒い煤のようなものが付着しているだけだった。

それ以来テーセウスは契約するのを辞め、職を転々とするようになる。

























フォンティン家。

アストゥリアスのように”雑種”を招き入れず、悪魔としての血を色濃く受け継ぐ家柄だ。

ベネディクト・フォンティンはそのフォンティン家の主でもある。

夫は夫婦で欺きあった結果殺害に至ったと噂があった。

テーセウスはオリオンの使いで来ていた。

定期的にフォンティン家には自作の薔薇を届けにゆくのだ。

緩く巻かれた白金の髪を揺らしフォンティンは、テーセウスへと礼を告げる。

茶でも如何かと誘い、家へと招き入れた。


フォンティン家の景色はいつも夜だ。

部屋は蝋燭で照らされ、淡くびろうどのカーテンや装飾がされた家具を映している。

出された紅茶に喉を潤すと子供が二人飛び出てくる。

ベネディクトの双子の娘だ。

悪魔としての英才教育のために度々、地上に送り悪い事を促すよう言ってはいるものの

結果的に人を幸せにしてしまう悪い才能を持っていると言っていた。

彼女にとってはとても悩みの種なのだろう、いつもその話になると頭痛でも覚えるのかこめかみを押さえている。

「おじさま、わたしたちにお土産はないの?」

「まさか忘れてなんかいませんよね?」

双子は餌を待つ雛のようにテーセウスへとせっついてくる。

まあまあ、落ち着いてと片手を上げ。

彼女達が喜びそうな人形を出そうとした時、リボンで結ばれた小さな袋が転げて落ちた。

子供達はそんな可愛らしいものを見逃す筈もなく、小動物のような動きで飛びつくときゃいきゃいと騒ぎ始める。

「人間の匂いがするわ!」

「そうね!とっても!!」

テーセウスは嫌な予感を覚えて仕方が無い。

それは、つい先ほど送り届けた少女の――

「この思念とてもおじさまに好意を持っているのね!」

「嗚呼!ロマンチック!まさに禁断の恋だわ!」

双子のマイブームは恋についてのようだ。

熱がヒートアップしてゆく。早く紙袋から興味を逸らさねば。

そんな事を考えるとふとベネディクトと視線が合う。

それは冷ややかで軽蔑を含む色を秘めていた。

「……情に流されでもしたか?

 同族として恥ずかしい限りだ。」
















帰り時。

先日、悪魔になりたいと言った少年に言った言葉を思い出す。


『ロマン溢れる夢ですね。

ではその夢を諦めてください。

幸せになろうと思うことは死に繋がります。

先100年は人の苦しみを見続ける事を覚悟して下さい。』



少年の夢は本当に立派だと思う。

この言葉を言ってしまった後では、もうその自慢の歌声も披露してはもらえないだろうが。

否、少年の将来を思えばそれが敵に回る言葉であろうと、正しいと思っている。

エルゼ・フラウエンローゼのような生粋の家柄ならともかく。

自分のような何処のものともわからない雑種者は、小さな契約を交わし生きながらえるだけ。

生を持ち死ぬべきことの方が、悪魔には幸せに見えた。

ふと出た結論に動揺し、歩みが止まる。


「わたくしは悪魔に向かないのかもしれませんね。」


夜の暗がりの中、呟きに答える声は無い。
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